子供が公立小に通う親からみた日本と海外におけるICT教育について

1.海外の現状について

シンガポール在住時からの友人を中心に、それぞれのIT教育について現状を伺いました。

まず、アメリカや中国では都市と郊外に差があり、貧富の差も大きいそうです。私が話を聞けたのは、裕福で教育にどんどんお金をかけているような一部の方々の意見です。

(1)アメリカ、オーストラリアの一例

アメリカやオーストラリアでは普段からiPadを学校で使用しているそうです。

アメリカの場合、公立校といいましても学校によって方針がさまざまです。PTAから寄付金を募り生徒全員に低学年はiPad、高学年はchrome bookが配布される学校もあるようです。

Appleがスポンサーの私立校では、全員がiPad、mac bookを使用しております。ハッキングにも強く、機能も豊富な点が良いそうです。

コロナ禍でのオンライン授業では、課題はgoogle classroomで配布、授業はgoogle meet、休み時間はzoomやfacetimeで生徒同士が会話していたそうです。

(2)シンガポールの一例

シンガポールでは、教育省のプラットフォームがあります。全国の生徒が一人ずつIDを持ち、アカウントにログインできるシステムがあるそうです。そこから親への連絡事項、課題、授業進度や内容等が確認でき、紙はあまり使わないそうです。

端末はWindows利用者が多く、オンライン授業ではgoogle classroom、google meetを使用していたそうです。低学年はまだ親が付きっきりで見てあげなければ、操作は難しいとのことでした。

(2)中国の一例

中国でも普段からペーパーレスで連絡事項など、すべてがオンライン上で済ませているようです。ただ、シンガポール、中国共に、学校のパソコン授業では簡単なプログラミングやタイピング練習をする程度で、内容は日本とあまり変わらない印象でした。

2.日本の現状

(1)子供が通う公立小の一例

わが子が通う川崎市の小学校では、高学年になると各々がPowerPointで資料を作ってプレゼンをしていました。パソコンで簡単なプログラミングをする授業もあります。

コロナ禍の休校中は、オンライン授業は行われず、月に2回ほど課題を受け取りに学校へ行っていました。最後に一度だけzoomによるオンライン健康観察が15分程あり、クラスの7~8割程度が出席していました。IT環境が整っている家庭が意外と多かった印象です。

また、神奈川テレビでは毎日九時から、横浜市が作成した授業内容を放送していましたが、時間割がわかりづらかったです。残念でしたが、結局、見ませんでした。

NHK for Schoolの方がわかりやすく、いつでも好きな時間に見ることができて良かったと思います。

(2)他の公立小の様子

他の都内や県外の知人の公立小学校では、オンライン授業などは一切なく、課題を学校まで取りに行き、配布された課題をひたすらこなすという学校が多かったように思います。

その状況の中、狛江市在住の友人は、普段から小学校で一人一台iPadを使用してプログラミングを学んでいるそうです。休校中も、IT環境のない家庭にiPadとWi-Fiルーターを貸出して、全員揃ってオンライン授業を受けることができたそうです。学校のHPからログインして、毎日の課題と動画が配信されたそうです。

3.私見

以上、一部の方々の情報ですが、子供のIT教育としましては、教える大人側の知識や技術、ハード面などの環境を整える必要があると思います。

日本ではあらゆる面でIT化が遅れていると感じますが、すべての子供たちが平等に同じ教育を受けることができる点はとても恵まれた環境であり、私は素晴らしいことだと思います。

また、大人の送迎なしに子供だけで登下校ができるくらい安全であることは、どの外国人も驚いています。実際に、海外からみる日本人の信頼性は大きいと感じます。

日本にしかない良いところを考慮しつつ、理想的なICT教育のための環境ができれば良いと思います。

子供が公立小に通う親からみた日本と海外におけるICT教育について(PDF)2020.6.15